少し前から風が冷たくなって、厚手の服を着る事が増えた。朝目覚めて窓を開けると、凍りつきそうな風にのって冬の香しい空気を感じる事ができる。
こんな冬は大好きなのだけれど、苦手な部分もある。
それはどうしてもネガティヴな自分が顔を出し、自問せよと課題を突き付けてくること。この季節にこそ飛躍を遂げようとする心を持つべきところ、その領域にたどり着こうという時には、すでにフキノトウがあくびをしはじめるまでに時間が過ぎている事が多い。暖かい風を待つ狭間に僕は毎年のように後悔の念に駆られ、今度こそ!…と奮起して春を迎える。
アリと言えばアリ。
物心ついた頃から考えていること。どうしてもこのサイクルを払拭したかった。単純にバイオリズムと言ってしまうのも納得が行かない。本来の僕の弱い側面に、日本の四季が簡単に潜り込んでせっせと働いているのも納得がいかない。七転び八起きとは言えど、世界の人たちはどうしてサイクルをコントロールしているのだろう?
そう、誰かに言った事がある。
「表とも裏とも上手につきあえば…」
こんな台詞を残した割には矛盾した悩みといえばその通り。でも気に入らない以上「変える」努力はしても良いと考える次第。裏の自分をだます方法はきっと何処かに潜んでいるはず…。できることなら、プライヴェート以外で凹んだ自分の姿はさらけ出したくないし、できることなら、そんな力を身につけた僕を見る人たちに良い影響を与えてあげたい。
そうなることも僕の使命の一つだと思う。
こんな事を考えながら、
大好きな冬はまた、ゆっくり深けてゆく。