6月6日
午後、オーケストラホール近くにあるシカゴ美術館へ、コチラで出会った由紀さんと向かいました。名物のひとつですから一応見ておかないとね。
外観はとても大きく荘厳、古い絵画ばかりがおいてあるのかと思いきや…とてもモダンな作品がたくさん!!それ以外だと、東洋の古美術品、西洋の古美術品、アメリカ大陸における古い出土品などが所せましと並んでいました。規模は大きいです。
その中でもひときわ目を引いたのは…日本人の建築家・安藤忠雄がプロデュースしたという展示室!…そう展示品よりも部屋に感動です。
まさに漆黒と静寂の空間、並べられている展示品にのみ明かりが照らされ、足音がどこまでもこだまする異空間。「温もり」という言葉はほぼ皆無なその空間にずっと座っていたかったです。room 109です。訪ねてみてください。
…で、アホな写真を一枚とってもらいました。美術館の入り口をまもるように、対になって鎮座する獅子の像の片割れに、情けな〜くしがみついている男はもちろんワタクシです(笑)…美術館は大通りに面していて人通りがものすごく多いので、かなりじろじろ見られましたね〜
「オイ!!クレイジーなジャパニーズがいるぜ!?ぷぷぷっ」
…くらいに思われた事でしょう!上等です(笑)いや、こんなバカをする日本人もあまりいないと思います…。シカゴの皆さんごめんなさい。日本人はクレイジーじゃないんですよ…f^^;)
そして、シカゴで活躍中のベテラン・ベーシスト「Richard Armandi」(リチャード・アルマンディ)氏の自宅へお邪魔させていただいて…楽器と弓を見せていただきました。彼は自分でも楽器をいじるスキルを持っていて、数本見せてもらった楽器の全てに手が加えられていました。…音はつやがあって、抜けも良い。素敵だ〜!!
ありがとう、リチャード。
夕方から、North Eastern University(ノースイースタン大学)へ。リチャードの車に乗って行きました。…あるスペシャルなコンサートを聴きに行く為です。
下の写真を見て下さい。
朗々とコントラバスを奏でる彼は「Jason Heath」(ジェイソン・ヒース)という、ウィスコンシン州の大学の教授、弱冠25歳と聞いています、本当に驚異的な腕前なのですが…
彼が抱えているこの楽器はなんと…
Amati(アマティ)なのです!!
…ヒエロニウム・アマティ(ニコラ・アマティの親)により1611年に製作されたこの楽器は、セルゲイ・クーセヴィツキー(ロシア生まれの指揮者&コントラバス奏者)が愛用していたもの。
後に世界的コントラバシスト、ゲイリー・カーに貸与され今に至ります。
…日本で関ヶ原の合戦が云々と言っている間もなく、この楽器が生まれたのです。コントラバス奏者ならだれもが憧れる楽器といえますし、僕もナマで見るのは初めて。かなり緊張しました。
…もう、とろんとろんにとろけました…!
「陶酔」とはまさにこのことか…。
ジェイソンの技術ももちろん相まって、柔らかく、温かく、力強い。
そして何処までも遠くまで広がり届く、素晴らしい音でした。
やっぱり伊達に有名な楽器ではありませんでしたね。
しかも、目の前10センチに近づいて見る事もできました。
よくみると、思っていたよりもずっと小さな楽器なんです。
それなのにあの豊かな音がするなんて…不思議。
…ああ、感激の嵐です!!
この感動が伝えられないのが悔しくてしかたがない!!
ホテルに帰ってからもなかなか余韻が抜けません…
音楽の力と粋を目の前に、そして全身で感じてきました。
最高の一日をありがとう。
…さて、ようやく旅の半分あたりかな?(^o^)